住所欄に書くのは住民票の住所

婚姻届の「住所」欄には、届出をする時点で住民登録している住所、つまり住民票に載っている住所を書きます。法務省の婚姻届記載例でも、住所欄に「住民登録をしているところ」と添え書きがされています。実際に寝泊まりしている部屋や、これから住む予定の新居の住所ではありません。

住所は、生年月日や本籍(戸籍の表示)と並んで、届書に必ず書く事項として戸籍法29条に定められています。夫になる人と妻になる人がそれぞれの欄に、自分の住民票の住所を記入してください。すでに同じ住民票に入っていればお二人とも同じ住所、住民票が別々なら違う住所になります。

住民票の表記どおりに書く

手元のマイナンバーカードや住民票の表記をそのまま写すのが確実な方法です。都道府県から書き始め、マンションやアパートなら建物名と部屋番号まで書きます。

記入例(架空の住所)

東京都〇〇区△△町一丁目2番3号 〇〇ハイツ201号

「1-2-3」のようにハイフンで略した書き方は、正確な表記がわからなければ使ってよいとする自治体(船橋市)と、省略せず正確に書くよう求める自治体に分かれています。住民票どおりの「一丁目2番3号」の形にしておけば、どちらの窓口でも困りません。

世帯主の氏名欄は書かなくてよい

以前の婚姻届には、住所欄の下に「世帯主の氏名」を書く小さな欄がありました。この欄は令和7年5月26日施行の様式改正で、婚姻届から削除されています。

改正前の用紙も当面は使えるため、手に入れた用紙に世帯主欄が残っていることがあります。その場合も中央区や葛飾区は「記載不要」と案内しています。ネット上の書き方解説や一部の自治体ページには改正前の説明が残っているので、世帯主を書くよう求める記述を見かけても、現行の様式にその欄はありません。

なお、婚姻届に「住所を定めた年月日」という欄はありません。住所を定めた日は住民票に載る項目で、引っ越した日は転入届・転居届のほうで申告します。

ケース別の書き方

状況ごとに書く住所をまとめると次のようになります。

状況住所欄に書く住所
住民票を移していない(同棲中で住民票はそれぞれの実家など)いまの住民票の住所
婚姻届と同時に転入届・転居届を出す新しい住所
転出届は出したが、転入届はまだ転入前の住所
転入届・転居届を先に済ませた新しい住所(いまの住民票の住所)

結婚と同時に引っ越す

婚姻届を出しても、住民票の住所は変わりません。新居に移るときは、市区町村をまたぐなら転入届、同じ市区町村の中なら転居届を別に出します。どちらも引っ越した日から14日以内に届け出る法律上の義務があり、正当な理由なく届け出ないと5万円以下の過料に処されることがあります。

婚姻届と転入届・転居届を同じタイミングで出すなら、婚姻届の住所欄には新しい住所を書きます。船橋市・神戸市・横浜市・中央区などの自治体が同じ案内をしています。

休日や夜間の窓口に婚姻届を出す場合、住所変更の手続きは後日、開庁時間に行うよう案内している自治体があります(中央区など)。住所変更を同時にできない日に出すときは、どちらの住所を書けばよいか提出先の市区町村に確認してください。

転出届だけ済ませている

前の市区町村で転出届を出し、新しい市区町村への転入届はまだという段階で婚姻届を出すなら、転入前の住所を書くよう船橋市・三鷹市が案内しています。扱いが自治体で違う可能性があるため、提出先の市区町村で確認しておくと安心です。

一緒に住んでいても住民票が別々

同棲していても住民票を移していなければ、住所欄はそれぞれの住民票の住所です。夫と妻で住所が違っていても、見た目をそろえるために一方の住所に合わせて書くことはしません。

海外に住んでいる

外国に住んでいる方は、日本の大使館・領事館で婚姻の届出をする方法もあります(法務省「戸籍のABC」)。日本に住民登録がない場合の住所欄の表記は、法務省の統一した記載例が見当たりません。提出する大使館・領事館か市区町村に確認してから書いてください。

相手が外国籍の方の場合、本籍欄には国籍だけを書きます。これは様式に印字されている指示です。

住所欄とまぎらわしい欄

同居を始めたとき

住所欄とは別に「同居を始めたとき」という欄があります。ここには、結婚式をあげたときと同居を始めたときのうち、早いほうの年月を書きます。日付は書かず、年と月だけです。住民票を移した日とは関係ありません。

同居も結婚式もまだの場合は、空欄にして「その他」欄に「同居も結婚式もしていない」と書くよう案内している自治体があります(桑名市)。全国共通の扱いとは限らないので、提出先で確認してください。

本籍

本籍は戸籍が置かれている場所で、住所とは別物です。引っ越しても本籍は変わりません。本籍地と住民登録地は同じとは限らないため、住所欄の内容をそのまま本籍欄に写さないようにしてください。

本籍がわからないときは、住民登録している市区町村で「本籍・筆頭者の記載あり」を選んで住民票を取ると確認できます。住所地以外の市区町村で取る広域交付の住民票には本籍が載らない点に注意が必要です。

証人欄の住所

証人欄にも住所を書く欄があります。戸籍法33条により、証人は生年月日・住所・本籍を書いて署名します。証人欄は証人本人が書くもので、住所は届出人欄と同じ考え方で、住民登録している住所を書きます。証人欄の書き方は証人欄の書き方で記入例とあわせて説明しています。

書き間違えたとき

住所を書き間違えたら、間違えた部分に二重線を引き、その近くに正しい内容を書きます。修正液や修正テープは使えません。

押印は令和3年9月1日から任意になり、訂正印を使わなくてよいと案内する自治体があります(船橋市・中央区など)。一方で、訂正箇所の欄外に届出人の署名を求める自治体(京都市など)や、一重線での訂正を案内する自治体(野々市市)もあるため、提出先のやり方に合わせてください。

届書に不備があると、窓口で訂正を求められ、再来庁が必要になったり希望日に受理されなかったりすることがあります(桑名市)。証人欄の訂正は証人本人でなければできません(船橋市)。証人に書いてもらう前に、ご自身の住所欄を住民票と見比べておくと手戻りを防げます。

よくある質問

住民票を移さずに新居で暮らしています。新居の住所を書いてもいいですか?

住所欄に書くのは住民票の住所です。新居の住所を書きたい場合は、婚姻届と同時に転入届・転居届を出してください。住民票の住所変更は婚姻届とは別の手続きで、引っ越した日から14日以内という期限があります。

婚姻届を出せば、住民票の住所や世帯も変わりますか?

変わりません。住所や世帯を変えるには転入届・転居届など住民異動の届出が別に必要です。マイナンバーカードの住所も、住民票の住所変更とあわせて変更の手続きをします。

住所地の役所に出さないといけませんか?

いいえ。婚姻届は、届出人の本籍地か所在地の市区町村に出せます(戸籍法25条)。所在地には旅行先などの一時的な滞在地も含まれます。令和6年3月1日からは、本籍地以外に出す場合でも戸籍証明書の添付は原則不要になりました。婚姻届の全体の流れは婚姻届 証人 完全ガイドにまとめています。

古い用紙の世帯主欄に書いてしまいました。直す必要はありますか?

世帯主欄は現行の様式にない欄で、古い用紙に残っていても記載不要と案内する自治体があります(中央区・葛飾区)。すでに書いてしまった内容をどう扱うかは、提出先の市区町村に確認してください。

きずなに送る前に

きずな証人代行事務所に婚姻届を送るときは、お二人の氏名・生年月日・住所・届出人署名を必ず記入してください。証人は、届出書と身分証明書を照らし合わせ、ご本人の届出書であることを確かめてから証人欄に署名します。そのため、氏名・生年月日・住所は身分証明書と同じ内容で書いてください。本籍などその他の欄は、送る時点では空欄でも構いません。役所に出す前に記入してください。

料金は届出書1枚につき3,900円(税込・返送料込)で、証人2名分の署名が含まれます。2通セットは5,900円です。サービスの流れは婚姻届の証人代行で説明しています。お申し込みは申込フォームから受け付けています。